自己資本利益率 (ROE) と 株主資本利益率 とは
2006年(平成18年)5月の新会社法施行に伴い会計方法が若干変更されました。 従来の 貸借対照表(バランスシート) では、「 株主資本 = 自己資本 = 純資産 」 とされていたものが、新会社法で3者はそれぞれ異なるものとして定義されました ( ▼ 純資産、自己資本、株主資本とは )。 これに伴い、企業業績を判断するための様々な指標も影響を受けました。近年、経済変動の速度が極端に速まったという感想を持たれいる方は多いのではないでしょうか。 世界的なマネーゲームが横行し、サブプライムローン問題 に端を発した世界金融不安により、為替相場も反応して激動しています。 FX (外国為替証拠金取引) で相場変動を予測するためには、常に世界情勢に関する情報にアンテナを張っておく必要があるでしょう。
世界中で日々発生する情報から素早く世界情勢を判断するためには、必要最低限の知識は身につけなければならないでしょう。 そこで今回は、景気に関連して企業業績を判断する経済用語の中から、「 自己資本利益率 (ROE) 」 について解説します。

■ 自己資本利益率 ( ROE ) とは
2006年(平成18年)5月の新会社法施行に伴い、従来の 貸借対照表(バランスシート) で 「 株主資本 = 自己資本 = 純資産 」 とされていたものが、3者それぞれ異なるものとして定義されました。 新会社法での範囲は、株主資本 < 自己資本 < 純資産 の順に広くなります。「 自己資本利益率 (Return On Equity) 」 は、一般的には 「 ROE 」 と用いられています。 ROEとは、投入した資本 ( 自己資本 ) に対する ( 当期純利益 ) の割合を表します。 つまりROEは、株主から集めた 自己資本 を使って、企業がどれだけ効率的に 当期純利益 を上げているかを示す指標で、企業の収益力を判断する指標の1つです。
ROEは、「 株主が投資した 自己資本 に対する 当期純利益 (税引後利益) の割合 」 を表す指標ですが、「 1株当たりの自己資本 に対する 1株当たり利益(EPS) の割合 」 でもあります。 基本的に、ROEが高い企業ほど資本効率が高いとみなされて、投資家から見ると、将来の高配当や株価の上昇を期待させる成長性の高い企業を見出すための指標とも言えるでしょう。
ROEの計算式は以下の通りです。
▼ ROE (%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
米国では、株主構成において機関投資家の比率が増加し、機関投資家が 「 企業が投資する資本に対してどれだけの利潤を上げ得るか 」 という企業の将来性を重視したことも背景にあり、最も重視されている指標です。

■ 自己資本 と 株主資本 について
2006年5月の新会社法施行前は、「 株主資本 = 自己資本 = 純資産 」 と3つの用語は同意語とされていました。 しかし、新会社法の施行で 株主資本 と 自己資本 とは互いに異なるものとして定義されました。
▼ 自己資本 = 株主資本 + 評価・換算差額等
= 純資産額 - (新株予約権 + 少数株主持分)
▼ 株主資本 = 資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金 + 自己株式
例えば、重要な指標である 「 自己資本利益率 (ROE) 」 のことを 「 株主資本利益率 」、「 自己資本比率 」 のことを 「 株主資本比率 」 とも呼んでいました。 新会社法施行後のROE は 「 自己資本利益率 」 と呼び、「 株主資本比率 」 という名称は 「 自己資本比率 」、「 1株あたり株主資本 」 は 「 1株あたり純資産 」 と改められました。
新会社法では、株主に帰属すると考えられる項目は、「 純資産 」 の項目である 「 株主資本 」 に表示されることになりました。 「 純資産 」 は、 「 株主資本 」 と 「 株主資本以外 」 に区分され、株主資本は 「 資本金 」、「 資本剰余金 」、「 利益剰余金 」、「 自己株式 」 に区分されています。 これは、「 株主の持ち分は資本金だけではなく、それらを使って得られた利益剰余金や利益準備金も株主に帰属する 」 という考え方に基づいています。 投資家側からみると、貸借対照表(バランスシート) の 「 純資産 」 のうち、株主に帰属する 「 株主資本 」 とそれ以外のものとを区別しやすくなります。
■ 自己資本利益率 (ROE) の意義
一般的に、ROEの数値が高いほど優良企業だと考えられており、ROEが高水準で推移している企業は将来の成長性も有望で、ROEを高めることは 一株当たり利益(EPS) の上昇につながるため、株主への利益還元も期待できます。 特に米国企業などは、金利負担の重い銀行の借入金よりも投資家からの投資を呼び込むために、このROEを高くすることを目標にする企業が多いようです。 投資家からすると、ROEの高い高収益の企業ならば成長率も高く、将来の配当金や株価の上昇が期待できます。ROE (%) = 1株当たり利益(EPS)÷1株当たりの純資本×100
一般的には株式投資の際にROEは、同業の企業を比較するために利用される場合が多いです。 実際のROEは、会社四季報 などで予想ROEの数字を確認することが大切です。
株主からすると、高配当を維持している企業は魅力的な企業ということになります。 もし、他の金融商品の利回りより低ければ、投資に価しない企業という厳しい評価が与えられます。 ROEを長年にわたり高水準で維持している企業は優良企業とみなせますが、いつまでも永続するわけではありませんので、1つの目安としてはROEが15%程度といったところでしょうか。 日本企業の場合、10%以上あれば優良企業と見られています。
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